<大腸がんが増えています>
我が国では大腸がんがどんどん増えています。
がんによる死亡率でみると、男性が肺がん、胃がんに続いて3位、女性では1位です。
大腸がんやポリープなどの腸の病気を発見・診断し、治療するには大腸内視鏡はとても大事な検査です。
<大腸内視鏡検査とは>
検査医が肛門より内視鏡を挿入します。
大腸は長さが約150cmですが、これをアコーディオンのように縮めて80cmぐらいにし、大腸の奥まで挿入して観察をします。
<大腸内視鏡検査以外の検査法は?>
大腸の病気を診断する手段には大腸内視鏡検査以外に、注腸検査(バリウムを使ったエックス線検査)や便潜血検査(便の中に血液が混じっていないか調べる)という方法があります。
しかし、注腸検査では細胞検査や治療ができません。
便潜血検査は検診でよく行われていますが、大腸がんがあっても『異常なし』と出てしまう場合があります。
<大腸内視鏡検査による大腸ポリープの切除と大腸がんの治療>
大きさ5mm以上の大腸ポリープは癌を含んでいたり、放置すると大きくなったりすることがあります。そのようなポリープがみつかった場合にはその場で切除をします。
ポリープのわずかに深いところに生理的食塩水などを注入してポリープを浮かせてスネアという輪でしばり、電気で焼き切ります。
ポリープを切った傷口を自然とはずれる小さなホッチキスのようなもので閉じる場合もあります。
一時的に腸にキズができますので、合併症予防の食事療法と経過観察のために入院が必要となります。
初期の大腸がんは内視鏡で治せる場合があります。切除したのち、切り取った大腸がんを顕微鏡で詳しく調べます。

<事前の注意事項>
次にあてはまる方はあらかじめ医師・看護師にお知らせください。
生検をした場合やポリープを切除した場合には、合併症がおきた場合の対処が遅れるといけないので検査日より1週間は旅行や出張をさけて下さい。
また、アルコールや辛いものなどの刺激物は、3日間控えてください。
<大腸検査を受ける際、必要な検査>
| 採血検査: | お互いの感染を予防するためB型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスに感染していないか調べます。 |
| 出血時間: | 生検(粘膜の一部をとって顕微鏡で調べること)やポリープ切除によって、予想外の出血がおきる体質ではないか、耳たぶで調べます。 |
| 状態によってはエックス線検査などを行うこともあります。 | |
<大腸内視鏡検査の実際>
当日、朝から腸をきれいにする薬を約2リットル飲んでいただきます。
内視鏡検査の直前に肛門部だけ穴があいた検査用のズボンに履き替えて、検査台の上に横になって頂きます。
検査の前に水分補給の点滴(100ml)を1本します。
検査の前に腸の動きを止めるお薬を注射します。
検査医が肛門より内視鏡を挿入し、検査が始まります。
内視鏡が入りやすいように体の向きを変えながら行います。
内視鏡が進みやすいように、お腹を手で押さえることもあります。
検査中の痛みについては、ほとんどないか腸が突っ張る感じがするだけの方が多いのですが、腸がお腹の中でくっついている(ゆ着といいます)方は痛みを感じる場合もあります。
その場合でも、痛みが最小限になるよう検査をしますので、つらければ遠慮なく検査医や看護師に伝えて下さい。
奥まで内視鏡が入ってから観察を始めます。腸のしわを伸ばすために空気を入れるので、お腹が張った感じがする場合があります。
検査は概ね20分から30分ぐらいで終わります。
ポリープや初期の大腸がんを内視鏡で切除をする場合はもう少し時間がかかります。
ほとんどの場合、鎮静剤(眠たくなる注射)や鎮痛剤(痛み止め)の注射は検査に必要ありませんが、検査をスムースに行うために検査医の判断で使う場合があります。この場合は薬の効果が切れるまでしばらくの間、休んでいただきます。
<検査後(ポリープ切除をしなかった場合)>
検査後、検査医や外来主治医から結果説明を受けていただきます。
その後、看護師が食事や日常生活の注意事項を、別紙にて説明いたします。
<検査後から検査翌日(ポリープ切除をした場合)>
入院し、ポリープ切除後の合併症が起きないか観察をします。
出血や腹痛があれば看護師にお伝え下さい。
ポリープ切除の状況によっては血液検査やレントゲン検査を行う場合があります。
検査翌日に主治医が退院してもよいかどうか判断し、午後2時頃に退院できます。