部門紹介
内視鏡センター
なぜ内視鏡検査は必要なのでしょう?
内視鏡検査にはみなさんが一番身近な胃カメラ(上部消化管内視鏡)や大腸内視鏡などがあります。これらの検査は主に食道・胃・十二指腸・大腸といった消化器疾患の診断のために行います。悪性腫瘍(癌など)の早期発見に有用で、胃カメラでは胃がん、食道がんが、大腸内視鏡では大腸がんの診断に役立ちます。
どれくらいの方がこれらの悪性腫瘍で亡くなっているのでしょうか?厚生労働省の統計によると平成20年の我が国の全死亡数は約114万人でした。3大死因は第1位が悪性腫瘍(約34万3000人)、第2位が心疾患(約18万2000人)、第3位は脳血管疾患(約12万7000人)でした。じつに3割の方が悪性腫瘍で亡くなっています。
次に悪性腫瘍のなかで死亡数の多い癌を示すと以下のようになります。
| <男性> |
<女性> |
肺がん(23.6%)
胃がん(14.6%)
大腸がん(11.3%)
肝がん(10.8%)
膵がん(6.6%)
食道がん(4.8%)
前立腺がん(4.8%)
胆道がん(4.0%)
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大腸がん(14.4%)
肺がん(13.4%)
胃がん(12.6%)
膵がん(9.0%)
乳がん(8.6%)
肝がん(8.3%)
胆道がん(6.6%)
子宮がん(4.2%)
卵巣がん(3.4%)
食道がん(1.3%)
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内視鏡検査で早期発見ができる胃がん、大腸がん、食道がんを合計すると、男性は31%、女性は28%を占めていることがわかります。もし、これらの方々が早い時期に内視鏡検査を受けていれば助かっていた可能性があります。また、このデータは死亡された方だけのデータですので、実際には内視鏡検査を受けて早期癌で診断されて助かっている方々がたくさんおいでます。
当院の内視鏡センターではみなさまが、安全で、苦痛が少なく、質の高い内視鏡医療を行えるよう様々な努力をしています。
内視鏡センターの概要
(平成22年1月現在)
- 施設認定
- ・日本消化器内視鏡学会 指導施設
- 医師
-
・日本消化器内視鏡学会 指導医2名
・日本消化器内視鏡学会 専門医4名
・上記以外に消化器内視鏡を専門とする医師4名
- スタッフ
-
・看護師5名(うち消化器内視鏡技師3名)
・臨床検査技師1名
・看護補助者1名
・受付事務員1名
所有する機器
| <内視鏡スコープ> |
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・上部消化管ビデオスコープ 14本
・十二指腸用ビデオスコープ 2本
・大腸ビデオスコープ 4本
・気管支鏡 1本
・喉頭ファイバースコープ 1本
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| <光源装置> |
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3台
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| <内視鏡洗浄器> |
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3台
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| <内視鏡業務支援システム> |
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オリンパス社製 Solemio Endo
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| <その他の機器> |
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・内視鏡挿入形状観測装置 2台
・内視鏡高周波焼灼装置 3台 |
内視鏡センターの実績
【年間内視鏡件数】(平成20年度)
総数 6250件/年
内訳(検査種別)
| 上部消化管内視鏡 |
5214件 |
| 大腸内視鏡 |
989件 |
| 内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP) |
44件 |
内視鏡を用いた治療 381件
| 内視鏡的胃瘻造設術(PEG) |
47件 |
| 大腸ポリープ切除 |
204件 |
| 上部消化管粘膜切除術(EMR)・粘膜下層剥離術(ESD) |
24件 |
| 膵胆道処置 |
29件 |
| その他(食道狭窄拡張術など) |
当院で行っている内視鏡治療
下記の内視鏡治療を行っています。消化器病センターを受診していただければ病状に応じて詳しく説明いたします。
- 食道・胃の早期胃癌やポリープの内視鏡切除
- 大腸ポリープ・早期大腸癌の内視鏡切除
- 消化管(食道・胃・十二指腸・大腸)からの出血の内視鏡止血
- 食道静脈瘤の治療
- 痔(内痔核)の内視鏡治療
- 胆石(胆管の石)の内視鏡治療
- 内視鏡的胃瘻造設術(PEG)
- 食道狭窄拡張術
内視鏡センターの特徴
| ■ |
内視鏡医とスタッフの充実
学会認定の指導医、専門医を中心に内視鏡を専門とする医師が検査や治療を担当します。学会認定の内視鏡技師資格を持つ看護師3名を含めて専門のスタッフが充実しています。
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| ■ |
カンファレンスの充実
週に1回、医師が集まって内視鏡画像カンファレンスを開いて、診断の難しい症例や病理結果のフィードバックを行って診断技術を磨いています。
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最新の内視鏡診療の実践
最新の内視鏡医療の導入を継続的に進めています。
平成14年9月より大腸内視鏡挿入形状観測装置を導入
平成15年6月より早期胃癌に対して内視鏡的粘膜下層剥離術を導入
(平成21年2月より早期食道癌、平成21年6月より早期大腸癌)
平成21年2月より上部消化管に対する拡大内視鏡観察を導入
平成21年7月より内視鏡業務支援システムの導入
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| ■ |
内視鏡検査を楽に受けられるために
患者さまの苦痛をできるだけ軽減できるよう、さまざまな工夫をしています。
胃カメラ検査では、楽に検査を受けられるよう検査医や看護師がアドバイスをしながら検査を行います。また、御希望の患者さまには鎮静剤(眠たくなる注射)を使って検査をします。
大腸内視鏡では内視鏡形状観測装置を適宜用いることで苦痛の少なく、安全な検査になるように努めています。
『苦痛の少ない大腸内視鏡検査に「二つの武器」』
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安全な内視鏡検査のために
内視鏡検査にはまれですが合併症(偶発症)がおきることがあります。日本消化器内視鏡学会による全国調査では、全内視鏡検査の0.032%に偶発症がおきたことが報告されています。当センターでは安全に内視鏡検査を受けていただけるようさまざまな対策を行っています。
| (1) |
鎮静剤(眠たくなる注射)による偶発症防止のため血中の酸素濃度をモニタリングしています。 |
| (2) |
薬剤によるアレルギーなどに備えて救急処置に必要な物品・薬剤を内視鏡センターの中に常備しています。 |
| (3) |
内視鏡を通じた感染を防止するため、内視鏡の洗浄消毒はガイドラインに準拠して行い、機械洗浄消毒のみに頼らずていねいに内視鏡内部のブラッシングを行っています。さらに生検用の鉗子は全てディスポーザブル(使い捨て)を用いています。 |
| (4) |
大腸内視鏡ではクリティカル・パスを使用することにより、事故防止に役立てています。 |
| (5) |
医療事故防止のため、『内視鏡検査・処置に関する安全対策マニュアル』を作成し、周知徹底しています。 |
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実際に内視鏡検査を受けるには
| 1. |
胃カメラ(上部消化管内視鏡)
<予約>
予約なしでも検査を受けることができます。検査の前に医師の診察を受けるため、消化器病センターを受診してください。
<来院までの飲食>
前日の夜9時以降食事をとらないでください(水分は飲んでも結構です)。当日も朝から食事をせずに来院してください。(水、番茶は飲んでも結構です。)
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| 2. |
大腸内視鏡
<予約>
検査の前日から準備が始まりますので、あらかじめ検査の予約が必要です。まず、消化器病センターを受診して医師の診察と予約をしてください。
<検査の流れ>
外来通院で検査を行っています。(ポリープを切除した場合は入院になります)ご高齢者やお体が不自由な方の場合には前日から入院して検査を行う場合もあります。
前日寝る前に下剤(ラキソベロン液10ml)を服用していただきます。検査当日は朝に来院されてから約2リットルの下剤を飲んでいただいて腸にある便をきれいに洗い流します。検査前日のお食事は便になりにくいお食事をとっていただくと少なめの下剤で腸がきれいになるので、予約のときに看護師より食事について説明いたします。特に便秘がひどいかたや前に検査したときに下剤を多く飲むのが苦手だった方は検査食をとっていただく場合もあります。腸がきれいになった方から順番に午後に検査を行います。
検査は日帰りで行っています。しかし、検査中に切り取ったほうがいいポリープが見つかった場合には、内視鏡で切除いたします。この場合には、出血や穿孔(腸に穴があく)などの合併症がおきないか経過観察をするため、翌日まで入院していただいています。
また、病院からお薬をもらって飲んでいる方はお薬の調整が必要なことがありますので、あらかじめ内科を受診した際にご相談ください。
大腸内視鏡検査のクリティカルパスで用いている『大腸内視鏡検査を受けられる方へ』をごらんになってください。
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胃カメラの鎮静剤(眠たくなる注射)について
胃カメラ(上部消化管内視鏡)を受けた方で「眠っているうちに終わった」と言われる方がおいでると思います。これは鎮静剤という「眠たくなる注射」を使った場合にこのように感じることがあります。
しかし、「眠たくなる注射」は必須のものではなく、使わなくても胃カメラ検査を受ける方はたくさんおいでます。また、「眠たくなる注射」には呼吸や心臓を抑制するなどの副作用が出ることもあります。
そうはいっても、嘔吐反射(ゲーゲー)は個人差がありますので、胃カメラ検査がつらかった方や胃カメラ検査が怖くて不安な人の場合には「眠たくなる注射」を使ったほうが楽に受けることができる場合がしばしばあります。
当院では胃カメラ検査を受ける方に「眠たくなる注射」を希望されるかどうかをお尋ねし、希望された方に使用しています。
<「眠たくなる注射」を使う場合の注意事項>
「眠たくなる注射」の効き具合や効果が続く時間は人によりさまざまで,半日ぐらい眠けやふらふら感が続くこともあります。このため、「眠たくなる注射」を使用した場合には当日は事故のおそれがあるので車・バイク・自転車などの運転をしないようにしてください。「眠たくなる注射」をご希望の場合には自動車などを運転せずに来院することをお勧めいたします。また、鎮静剤によって健忘(もの忘れ)を生じることもありますので,検査当日は重要な判断は避けて下さい。ご高齢の方はご家族の方に付き添っていただいて来院されることをお勧めいたします。
楽に胃カメラ検査を受けるコツ
平成21年7月に当院で開催している健康講座の一つとして「胃カメラ検査を楽にうけるために」を行いました。そのときに、「コツを覚える」・「鎮静剤(眠たくなる注射)を使う」・「経鼻内視鏡」の3つの方法について説明をしました。
楽に胃カメラ検査を受けるコツは、次の3つです。
1.心とノドを開く
2.違和感を感じてもあわてない
3.検査中はツバをゴックンしない
ぜひチャレンジしてみてください。内視鏡センターのスタッフが説明しますのでお尋ねください。
ヘリコバクター・ピロリ菌の検査をしています
ヘリコバクター・ピロリ菌という細菌が胃に感染していることが胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因の一つであることがわかっています。胃潰瘍なら8から9割の人が、十二指腸潰瘍ならほとんどの方が、このピロリ菌を胃の中に持っています。潰瘍をくりかえしている人がピロリ菌の治療をすると、潰瘍の苦しみから解放されることがよくあります。日本人はピロリ菌を持っている人が多く、高齢の人ほど多い傾向があります。ちなみに40代の方では半分ぐらいの方が持っています。また、1994年にWHO(世界保健機構)はこのピロリ菌を胃癌の原因の一つとしています。
ピロリ菌がいるかどうかは、内視鏡で潰瘍がみつかった場合に、その場で胃の粘膜を一部採取してすぐに診断できます。結果は10分から1時間でわかります。
もし、胃にピロリ菌が感染しているとわかった場合、1週間お薬を飲むことにより約8割の確率で除菌(菌がいない状態にすること)することができます。除菌が成功したかどうかの判定は、胃カメラを飲まなくても呼気テストという簡単な方法で行えます。
抗血小板剤、抗凝固剤を内服している方へ
下記のような心臓・脳・血管の病気をお持ちの方々は血管の閉塞や血栓を予防するために抗血小板剤、抗凝固剤を内服していることがあります。
- 心筋梗塞・狭心症・心臓弁膜症
- 脳梗塞・一過性脳虚血発作
- 閉塞性動脈硬化症(足の血管がつまりやすい病気)
- 深部静脈血栓症(足に血栓ができやすい病気)
- 不整脈(心房細動など)
抗血小板剤、抗凝固剤を内服していても内視鏡検査はできます。しかし、粘膜を採る検査(生検)やポリープ切除をすると出血が止まりにくいことがあるため行いません。かといってこれらの薬を中止すると、血管の閉塞や血栓を起こし、生命にかかわる怖れもあります。
このため当院では原則としてこれらの薬を飲みながら内視鏡検査を受けることをお勧めしております。その結果、生検やポリープ切除が必要な場合に限り、薬剤を中止して良いかどうかを慎重に判断し、ご相談をしてから決めています。
大腸がんは増え続けています
厚生労働省の統計によると平成20年の大腸がんによる死亡数は4万3千人近くであり、30年前に比べて3.9倍に増えています。これは日本人の食生活が欧米化したことが原因と考えられています。現在、大腸がんによる死亡数は男性では、肺がん、胃がんに続いて第3位、女性では第1位です。
大腸がんに注意が必要な人は?
血縁者に大腸がんの方がおられる方、肉類をよく食べる方、便秘がちの方、運動不足の方は大腸がんになりやすいとされています。心配な症状としては、排便時の出血や便に血液が付着する、便の形が細くなった、便秘がひどくなったといったものがあります。これらの症状は肛門の近く(直腸)のがんでみられることがありますが、最近は大腸のより奥のほうにがんがみつかることが多くなっており、無症状や腹部違和感といった症状しかない場合もしばしばです。
大腸がんの検査法には次の3つがあります
- 便潜血検査(便に目に見えない血液が混ざっていないかを調べる)
- 注腸検査(バリウムと空気を肛門から注入してレントゲン撮影をする)
- 大腸内視鏡検査(肛門から内視鏡を挿入する)
便潜血検査は検診でしばしば行われている方法で、たくさん人の検査を行うには簡便な方法なのですが、あなた自身が大腸がんではないかという検査(精密検査)としては十分ではありません。たとえば早期大腸がんでは2割程度しか陽性となりません。進行癌でも4分の1は陰性になるというデータもあります。
注腸検査は全大腸を検査することができますが、早期の表面型のがんはみつかりにくく、ポリープが発見された場合には結局のところ内視鏡検査を受けないと組織検査もポリープ切除も行えないため、最近は最初から内視鏡検査を行う場合が多くなっています。当院でも大腸検査のほとんどを内視鏡で行っています。
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