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【金沢赤十字病院】広報誌 かなざわ日赤ニュース Vol.15紹介ページです。

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かなざわ日赤ニュース Vol.15(平成19年11月発行)

摂食嚥下(えんげ)に対するアプローチ
医師 大酢 和喜夫(おおす わきお)
リハビリテーション科部 部長

1)誤嚥について

 まず嚥下(えんげ)とは、口の中の食べ物や飲み物を「飲み込む」動作のことです。その動作中に食物や唾液などが誤って気道から肺に流れ込むことを誤嚥といいます。健康な人は咳き込んだりすることによって、それを外に出すことができます。また人の体には自分を守る力(免疫力)が備わっていますので、気管や肺に入っても必ず肺炎になるということではありません。

誤嚥をおこしやすい人
 急性期脳血管障害(脳梗塞など)の45〜65%の方に嚥下障害があるといわれております。また高齢者の場合、身体の機能が低下していたり、感覚が鈍くなっていると、誤嚥してもあまり苦しさを感じないために咳込んだりすることがなく、周囲の人は気づかない場合があります。高齢者の脳血管障害の患者さまは、特に注意が必要です。

当院での試み
 当院では、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、医師、歯科医師(義歯の作成)、栄養士等が協力して口から食べ物を摂ることが可能か、問題点がどこにあるのかを協議して方針を決定し治療に当たります。

考え方
1.呼吸機能:誤嚥したものを吐き出せるのか、体力・持久力があるのかを確認します。
2.患者さまが自ら食物を食べたいと考えているのか:認知症、消化器症状、鬱、味覚の障害などがあるのかを確認します。
→食物を視た瞬間、過去の記憶がよみがえり、食物はおいしいものと認知して食欲がわくことが大切なのであり、そのことを患者さまのわずかな「動き」から理解することも重要なのです。

3.体の動きや筋力:飲み込みやすい姿勢の確保・維持ができるのかを確認します。
4.嚥下に関する感覚や筋肉の動きと協調性:感覚情報に従って個々の筋肉がスムースに働くのか、麻痺や障害、ある種の薬剤の副作用がないかを確認します。


2)摂食嚥下障害のテスト


一般的な診察で行なうチェック項目
1.口腔内評価
2.脳神経検査
3.全身状態
4.脱水、低栄養

摂食・嚥下障害の診断をするためのテスト
1.RSST:反復唾液嚥下テスト
2.改定水のみテスト
3.食物テスト
4.咳テスト
5.食事場面評価

VF:検査(ビデオ嚥下造影検査)
造影剤をまぶした「とろみ」「水」「食物」を造影しながら飲食していただきます。その状態をビデオで録画し、口の状態、のどの状態、食道での状態を評価いたします。

 これらのテストや検査を、状況に応じて行った結果を基に前述の多職種で編成されたチームで、どういった状態でどのようなものを食べさせる事が一番うまくいくかを検討いたします。そして食物の選択や加工の仕方等を検討するとともに、嚥下に関与する筋の機能訓練、呼吸訓練を行い、患者さまのご家族とともに機能回復に努めます。



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