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【金沢赤十字病院】広報誌 かなざわ日赤ニュース Vol.2紹介ページです。

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かなざわ日赤ニュース Vol.2(平成15年1月発行)

「最近の慢性肝炎の治療」


 日本人の慢性肝炎の多くは肝炎ウイルスが原因で、なかでもほとんどがB型肝炎ウイルス(HBV)とC型肝炎ウイルス(HCV)です。慢性肝炎のころは自覚症状は無く仕事や日常生活には支障がないのが普通です。しかし慢性肝炎は進行すると肝硬変になって機能が悪化したり肝臓癌を合併してしまいますので慢性肝炎のあいだに治療が必要です。最近新しい治療薬の登場とともにいくつか新しい治療方法が確立されていますので紹介します。
 HBVに対してはインターフェロン治療やステロイド離脱療法が行われていましたが効果が期待されたほどではありませんでした。最近エイズに対する治療薬の研究の過程でラミブジンという内服薬が開発され日本でも販売されました。体内のB型肝炎ウイルスを減少させる効果があります。長期に服用が必要ですが一日一錠の内服ですみ副作用も少なく、徐々に使用が増えています。
 HCVについてはインターフェロン治療が広く行われましたが効果があった人はウイルスが排除され肝機能も正常になっていますがそういう人はごく一部に過ぎません。特に日本人に多い1bというタイプのウイルスをたくさん持っているという人には今までの治療方法では5%とか10%くらいの割合でしかウイルスは消えませんでした。平成13年HCVを抑制する効果があるリバビリンという新薬が発売され、これはインターフェロンとの併用で使用され有効率が上がっています。その他にもこれまでの2種類のインターフェロンであるαとβ以外に、やや効果の強いと言われているコンセンサスインターフェロンも発売されました。また、αインターフェロンを2年以上注射する長期投与やαとβ両方のインターフェロンを使うコンビネーション療法などいろいろ工夫ができるようになりました。
 また近いうちに効果が長く持続し有効率も高いペグインターフェロンも発売の予定で慢性肝炎の治療はますます進歩しています。


リハビリテーション部より

肝臓と運動
 健康な肝臓の血流量は運動によって安静時の1/4にまで減少することが知られています。しかし、これは一時的なものであり運動後には肝臓への血流は増加し、その後運動前の状態にまで血流量は戻ります。このような運動による肝臓への血流変化は慢性肝炎の患者さんにも(重症者は除く)同様に起こることが検証されています。肝機能に障害が見られる状態でも運動は可能であり、安静を保ちすぎることによって心臓・肺などの予備機能を低下させたり、筋力の低下・萎縮を生じさせない為にも適度な運動が必要です。
 実際の運動を行う際に大切なことは“どんな”運動を“いつ”するのかと言う事です。
 時間帯としては食後に30分〜1時間程度安静にした後、食後2〜3時間後には20分程度の散歩(おしゃべりしながら歩けるくらいのスピードで!!)を行い運動後は必ず30分程度は横になって休んでください。
 今まで運動習慣の全く無かった人が運動を行うと足腰の関節を痛めたりすることが多く見られます。また、肝臓は沈黙の臓器とも言われるように自覚症状が出にくい臓器ですので肝機能の状態を自己判断せずに必ず運動する際には主治医に総合的に判断してもらった上で行うのが良いと思います。


薬剤部より

慢性肝炎の治療薬
 現在、ウイルス性の慢性肝炎の治療薬としては、肝炎ウイルスの量を減らす薬、肝臓を守り、保護して肝機能を改善する薬がよく使われます。肝炎ウイルスの量を減らす薬としてはインターフェロンが以前より使用されていましたが、最近は抗ウイルス薬が使用可能となり、徐々に使用されるようになってきました。肝機能を改善する薬は強力ネオミノファーゲンCやウルソデオキシコール酸がよく使われます。

インターフェロン療法
 ウイルスに感染したとき生体内(人間の体)でインターフェロンは作られますが、ウイルスの数が多いと作られたインターフェロンだけでは足りないので、注射でインターフェロンを補う治療法です。

抗ウイルス薬
 ウイルスの遺伝子(DNA、RNA)に作用して、ウイルスが増殖するのを防ぐ薬です。

強力ネオミノファーゲンC
 強力ネオミノファーゲンCは、グリチルリチンを重要な成分とする配合剤です。抗炎症作用を持っており、炎症によって傷ついた肝臓の細胞を修復して肝機能を正常化します。

ウルソデオキシコール酸(商品名:ウルソ酸、ウルソサン錠など)
 熊の胆のう、胆汁に含まれている成分で肝臓を保護して肝機能の改善をする薬です。


栄養課より

食事療法
 慢性肝炎の食事療法は、肝臓内での血液循環と栄養状態をよくするために、エネルギーが適正で栄養のバランスがとれた食事をすることです。
 食後は30分〜1時間くらい安静を保つことが大切です。

○標準体重を維持するように、食事量を見直します。
○朝・昼・夕の3食を規則正しくとります。
○毎食、主食(ごはんやパン)・主菜(魚、肉、卵、大豆製品)1品・副菜(野菜)2品をそろえます。
○1日に果物1個、牛乳コップ1杯、油を使った料理1〜2品とるようにします。
○多種類の食品をとるようにします。
○禁酒に努めます。
○うす味に心がけます。
○アルコール以外の嗜好品も、とり過ぎないようにします。
 ※肝臓病にはさまざまな病態があり、食事のとり方も異なりますので、個々の注意点については主治医、管理栄養士にご相談ください。

<肝臓病教室のご案内>
 当院では、毎月第2火曜日(14:00〜15:00)に肝臓病教室を実施しています。そこでは、管理栄養士がビデオ学習を交え、標準体重や適正エネルギー量の出し方をはじめ、食事の基本などのお話をさせていただいています。
 是非、お気軽にご参加下さい。


検査部より

肝機能検査
 肝臓はウィルス、アルコール、薬剤などによって障害を受けた場合、肝細胞の中にあって普段は色々な働きをしている酵素という成分が血液中に漏れでて、通常より高い値となります。これらの成分を測定することで肝細胞の障害の程度をみることが可能で、この検査を肝機能検査と呼びます。検査項目としてはALT(別名GOT)、AST(同 GPT)、LD(同 LDH)などの検査があります。

B型肝炎ウィルスの検査
 B型肝炎ウィルスの検査としてHBs抗原・抗体、HBe抗原・抗体、HBc抗体などがありますが、一般的にはまずHBs抗原を調べます。HBs抗原はB型肝炎ウィルスの表面抗原で、陽性の場合はB型肝炎ウィルスに感染していることを示します。急性肝炎が鎮静化してくると血液中にHBs抗体というものが増加してきますが、HBs抗体が陽性とは過去の感染を考える指標になります。またHBe抗原はウィルスの芯の部分のタンパクの抗原であり、これが陽性の場合は血液中に多くのウィルスが存在していて感染力が強いことを示します。

C型肝炎ウィルスの検査
 C型肝炎ウィルスの検査として現在一般的にはHCV抗体を調べます。C型肝炎ウィルスによる急性肝炎では抗体がすぐには陽性にならないため時間をおいて検査をします。またPCR法という検査でウィルスの多さを調べることもできます。



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